Love Lao Club (ラブ ラオ クラブ)設立趣意書
   (国際協力ボランティア団体)

ラオス人民民主共和国( Lao People x s Democratic Republic)の子供達の教育援助とラオス国民との文化交流を目指し「Love Lao Club」を発足することとなりましたので、その設立趣旨をここに明らかに致します。

         設立趣旨

ラオス人民民主共和国。それは私達と同じ東南アジアにありながら、その位置も風俗も生活習慣もほどんど知らない遠い存在でした。そのラオスが身近な国となったのは、材木を扱っている主人がラオスの木と関りをもちはじめ、1994年ラオス国カムワン州タケク市に会社を設立準備する事になってからです。

ラオスは森と水の国。東南アジア唯一の内陸国で、我が国の本州ほどの国土の70%が海抜200〜2000mの山岳地帯、肥沃な平野はわずか30%でしかありません。こんな地での農業が、主生産手段で他にこれといった産業に恵まれないラオスが豊富に持っているのが、かっては70%もあったという森林とメコン川の水です。しかし国の大きな歳入源であった森林は乱伐により、今や40%にまで激少してしまい、ラオスは材木に変わりメコン川の支流を利用してダムをつくり、タイ等に電力を売る売電国になろうとしています。

このダムの乱開発が幾多の森林を水没させ、森林破壊をもたらしました。資源を大切にという観点からも、また年月をかけて育ってきた木を少しでも無駄なく利用しよう、更に現地の人達の技術取得にもつながればと、今までなら捨て去られてしまっていた端材で集成材・イス・テーブルをはじめ、ペーパーホルダーなどの小物をつくる木工製作所を、製材所とともにつくりました。お互いの人格を認め、尊重しあったうえでの小さな事から始めた共同作業が認められたのか 主人の会社は、1996年7月現地法人としてラオスの認可を受け、日本独資の法人会社 第一号となりました。

私が初めてラオスを訪れたのは、今から丁度2年前の1996年5月です。タイのバンコク経由でメコン川沿いの町、タケク市へ着いた時からタイムスリップを経験する事になりました。40℃以上の気温の中で、少しでも涼しく過ごせる様にとの高床式茅葺き屋根の小屋には、吹きぬけの窓があるだけで,レストランでさえクーラーはありませんでした。教育に関しても、義務教育の制度が10年程前に設けられたとはいえ、就学率は低く、貧しくて学校へも行けず、裸足で働かなくてはならない子供達が沢山いるのです。ある村を見学した時、「この子供達の半分は大人になるまでに死んでしまうのです。」という言葉が胸にささりました。医者も医薬品も大変不足しているようです。

昨年4月 現地会社設立の記念式典が行われました。私はわが町、岡山県にある吉井町の町長、教育長をはじめとした他の方々と再度ラオスを訪問したのですが、その時、日本の皆様に協力して集めて頂いた不要になった足踏みミシン、オルガン、文房具、反物、教育玩具等をプレゼントし、現地の婦人会の皆さんや、子供達との交流を深めました。この事は、州知事を始め教育関係者の方々に大変喜ばれました。

私たちに出来る事、それは未来を担うラオスの子供達にきちんとした教育を受ける機会を少しでも増やすこと、日本の子供達の何百分の一、何千分の一、の援助と優しさがあればラオスの子供達が将来自分の力で希望を生み出すことが出来るのではないかと考えました。
一人でも多くの人にラオスを知って頂き、ラオスの人達と友達になっていただければと願っています。また、ラオスの人達にも日本を知ってもらいたく、ラオスの子供を短期留学でホームステイ体験させてやりたいとも考えています。そして、ラオスと日本の伝統的な文化や生活を紹介しあい、両国の交流を深めるとともに、今のラオスに必要なものは何かを考え、支援する事が出来ればと思っています。

その手始めとして、私達のグループでラオスに学校を建てようとしています。既に土地の確保、設計も終わり、今現地で建築材料を調達中です。雨季の終わる秋には工事に着工できる予定です。

かつて「百万頭の象の国」といわれた歴史ある王国・ラオスでしたが、今は最貧国の一つです。しかし、メコンと森という自然に恵まれているゆえに、アフリカ諸国で見られるようなひどい干ばつや飢餓にみまわれるといった悲惨な状況はありません。人々は皆、素朴で人なつっこい人達ばかりです。主人の仕事が縁で知ったラオスを、一人でも多くの皆様に知って頂き、一人でもラオスを好きになって下さる方が出来、息の長い小さなボランティア活動に参加して下さる方の輪が広がればと願い、仕事レベルを離れた ラブ・ラオ・クラブを発足させる事に致しました。この会の趣旨を御理解頂き、ラブ・ラオ・クラブに御入会頂ければ幸いに存じます。広く皆様からのご賛同を得られる様な会にしてゆきたいと願っております。

平成10年5月吉日
                    Love Lao Club (国際協力ボランティア団体)
設立発起人 西 山 美 貴 子